HAKIDAME

日記、愚痴、考え事、美容。

解体

食肉加工の動画を見て、生き物の関節や骨からきれいに離れていく肉の美しさに感銘を受けた私の、ここ数年の趣味は専ら解体です。
1人で食べきれないような肉をまるまる一頭買ってきて、捌き、骨の間までこそげとって、少し食べたら冷凍庫に入れます。
骨は鍋でスープをとり、金曜のごみの日に捨てます。

元々、肉の味が好きではないのであまり頻繁にすることはない(基本ラクトオボベジタリアンな生活)のですが、ゆえに、部位へのこだわりもなく、等しく評価考察することができるのもまたこのような味覚でよかったのかもしれないと思います。
やはり、背中の肉、特に鳥は、羽ばたくために筋肉が発達することで締まるのか、胸や腿と違ってかなり筋っぽいというか、ぎゅっとしています。

もう最初に見た動画はどこへ行ったのか、タイトルすら覚えていないので半ば自己流でやっているところも多いのですが、鶏肉に関しては飼い鳥を見ていると大体の骨格構造がわかります。動かしている足の付け根、筋肉の並び、羽ばたき跳ねる様子を頭の中で繰り返しながら、目の前の、たった1000円前後の塊に包丁を入れると、不思議なほど簡単に関節は外れ、肉は胴体から離れていくのです。パズルを解くように、美しい自然の造形に触れることができるのです。

これは私が海外で生活しているときからやっていることなのですが、マーライオンで有名なかの国でよく買っていた鶏は肉付きがよく、あたたかくして食べるからなのか柔らかい。どこに包丁を入れても筋すら柔らかく調理されているので、不格好に崩れてしまう以外に支障なかった。

逆に、ベトナム輸入の鶏は解凍したままの冷たい状態で食べるから、調理もそれに準じているのか、また品種が違うのか、かなり固い。正しい場所に包丁を入れないとびくともしないし、加熱調理しても肉や皮はコリコリと日本の鳥軟骨さながらです。部位ごとの違いも顕著なので、最近はもっぱらこれに夢中です。

使っているのはヘンケルスの三徳包丁なのですが、これほどまで定期的な解体にのめるなら、鎌倉あたりでいいものを1つ買ってもいいと思っています。

最後に、他意はないのですが、見ているだけで、ましてや解剖学書なんかがあれば、初見だって、なんでも捌くことができるんですね。生き物は面白いです。